ワイヤーロックで固定したはずのパソコンが盗難に

現代社会において、パソコンの重要性は飛躍的に高まりました。もはやどのような企業であっても、多かれ少なかれパソコンを利用しています。パソコンに収納された情報は、顧客情報から会計情報、個々人のプライベート情報など、重要なものばかりです。
パソコンの重要性が高まるとともに、パーソナルファイヤーウォールの役割も大きくなりました。外部から侵入してくるウィルスの脅威は、一般のパソコンユーザーにも認識されるようになったのです。
パソコンに不正なアクセスを行い、被害を与えるクラッキングは、それなりの知識と技術が必要です。しかしパソコンの中身の情報に興味を示す人間のすべてが、そうした技術を持ちあわせているわけではありません。自分の不正アクセスに関する技術を誇示したがる輩と異なり、即物的に犯罪に手を染める人間はパソコンそのものをターゲットにしました。パソコンが軽量化、小型化したことが、そうした犯罪を助長したのは皮肉なことです。

現在多くの企業が使用するノートパソコンにはワイヤーロックが使われています。
ノートパソコンは固定されないことがひとつの優位性だったのですが、セキュリティーのために本来の機能が失われることになりました。
実は多くの企業では、パソコンの盗難防止のワイヤーロックに簡易的なものを使用しています。これはカギの脱着を簡素化することで、ノートパソコンの本来の利便性を残すことに成功しましたが、同時に盗難のリスクを助長する結果となりました。
盗難目的の犯罪者にとっては、簡単なワイヤーロックなんてないのと同じことなのです。普段使っている人にとっては邪魔で、盗難防止効果が期待できないというのが、ノートパソコンの盗難防止措置の現状といえるでしょう。
ワイヤーロックによる固定では、せいぜいパソコンを持って帰って仕事をしようという人間に抑止力を聞かせるぐらいで、たいしたセキュリティー効果はないと言えるでしょう。